こんにちは。本日は、心房細動のお話しの続きです。前回は心房細動という不整脈がどんなものかをご説明しましたが、今回は診断と治療についてお話しします。心房細動の診断心房細動の診断をするためには、心電図で確認する事が必要です。そのため健診で心電図をとって見つかった方や、病院に受診した時に心電図で心房細動が出ている方は診断は容易です。問題は心電図で見つかっていない方です。症状や過去の病気、心臓のエコー検査で見た心臓の形などから心房細動が出ているのではないかと疑っても、それが心電図として証拠に残っていないと実際に診断には至りません。そういう場合の方法としては、① 症状があるときに来院していただき、心電図をとる② 24時間心電図検査をするなどの方法が一般的です。最近はさらに新しい診断方法もあります。③apple watchを利用する精度はそこまで高くありませんが、apple watchは心房細動を疑う場合教えてくれたり、疑わしい時の心電図を記録する事が出来ます。あくまで病院でとるような、様々な角度からの電気の流れを見る心電図ではないので過信はできませんが、診療の助けにはなります。心房細動の診断は以上のように行うことが多いですが、前回お話ししたように脳梗塞の大きなリスクとなりますので、なるべく早い段階で見つけることが望ましいです。そもそも疑わないことには心電図もとらないわけですから、まずは疑うことが大事です。そのためには、普段から自分の脈をとる(検脈をする)習慣をもったり、まめに血圧をはかるようにしておくとよいと思います。検脈をすることに慣れていると、いつもと異なる不整な脈にも気が付きやすいですし、血圧計も不整脈を感知すると教えてくれたりします。心房細動の治療心房細動の治療は下のようなものがあります。①薬物治療心房細動を止めたり予防したり、脈をゆっくりにして症状をへらす『抗不整脈薬』と、脳梗塞の予防のための『抗凝固薬』(血液サラサラの薬)があります。②カテーテルアブレーション治療カテーテルと呼ばれる細い管を血管にいれて、心臓の中に進めていき、心房細動のもとになる悪い電気の流れを焼いて治療する血管内手術です。それ以外にも外科手術や電気的除細動など、いくつかありますが、代表的には↑の2つの治療を行います。治療の目標は、症状の改善や心不全・脳梗塞の予防になりますが、心房細動の起こり方や持続時間・症状の有無・重症度・その他の病気の有無など、心房細動の段階に応じてどの治療を選択するか変わります。患者さんの状態やライフスタイル・考え方なども含めて、相談しながら治療方法を決めていきます。心房細動は早期発見、早期治療が大事な病気です。気になる症状がある方はご相談ください!次回は、心房細動についての最終回として「心房細動を予防するには」についてお話ししたいと思います。よろしくお願いいたします。