こんにちは。本日は、高血圧のはなしの5回目です。2月はインフルエンザB型の流行がすさまじく、ブログを書く余裕がありませんでした。ようやく減って来ていますが、まだ局所的な流行は続いていますので、感染予防にお気を付けください。前回は高血圧に対しての生活習慣の改善についてお話ししましたが、今回はそのラストである減塩についてです。⑦日本人の食塩摂取量は 10g/日 と世界の中でも高く,高血圧の人は 6g/日 未満にすることがすすめられています10のファクトの7個目です。塩については、以前ブログでも少し触れたことがあるのですが、今の人類にとっては必要なミネラルです。ただ、それを取りすぎてしまう事で高血圧の原因となってしまいます。そもそも、人類が塩を摂取することを覚えなければ血圧は上がらなかった可能性があるという説もあるくらい、高血圧と塩の関係は深いです。アフリカのヤノマミ族という民族は、文化的に調味料としての塩分摂取をほとんどせず、動物の体液内の少量のNa(ナトリウム)程度しか摂取しないようなのですが、上の血圧が120mmHgを超える方は一人もいなかったとの報告もあります。では、日本人はどうでしょうか。昔から日本人は塩分摂取の多い民族です。1950年代の東北地方での調査では、1日食塩摂取量は25g以上ともいわれており、これは顕著な例ですが、その当時の東北地方の高血圧患者、脳卒中の患者は多かったといわれております。その後減塩の重要性が広まることで日本人の塩分摂取量は徐々に低下してはいますが、2023年の調査では日本人の1日食塩摂取量は男性で10.7g、女性で9.1gと言われています。これを諸外国の塩分摂取量と比べてみても高い水準にあり、WHOの減塩目標が1日5gであることと比べると、まだ倍です。日本の高血圧学会では、様々な研究をもとに1日の塩分摂取量6g未満を目標に掲げていますが、まだまだこれも遠い目標です。地味だがすごい!減塩の効果減塩の効果は、もともとの血圧や、年齢、生活状況、体質などで大きく変わりますので、どのくらいの減塩でどのくらい血圧がさがるかはまだ十分に分かっていません。一説によると1日1gの摂取量の減少で平均的に1/0.5mmHg減少するのではないかと言われています。研究としてまとめてみると思ったより下がらないのですが、それでも健康へのインパクトはとても大きいです。有名な例では、国策として減塩に取り組んだイギリスの例があります。イギリスでは2001年から10年間かけて国策として食品内の塩分を減らしたことで、1日食塩摂取量を15%減らすことに成功しました(約1.5g/日の減量)。それによって成人の上の血圧は3mmHg程度低下し、心筋梗塞と脳卒中による死亡率は40%程度低下したのです。血圧の数字だけ見ると3mmHgの低下は誤差のようにも見えますが、実際多くの人口の平均として3mmHg下がるというのは大変な低下で、それによる利益はとても大きいものです。また、ここからは個人的な意見ですが、前述のヤノマミ族の例を考えますと、おそらく長期的には減塩の降圧効果はもっと大きいと考えております。特に食育として若いころから減塩できている場合は、将来的な血圧低下効果・動脈硬化疾患の予防効果はもっと大きいのではないかと思っています。現代人が塩を取らないのはもう無理な話ですが、適正な範囲に収めることで高血圧の予防となり、将来的な大病を防ぐことにもつながります。ぜひ、今日から減塩に取り組んでみてください。