こんにちは。当院では現在、様々なAIを活用して診療補助を行っています。AIを使用したインフルエンザ検査機器nodocaや、AIによるレントゲン診断支援ソフトウェアのEIRLをもともと使用していますが、直近ではmedimoさんに提供されている音声認識AIを使用してカルテ入力補助をはじめました。カルテの現在の主流は電子カルテですが、私は紙カルテも電子カルテも両方とも経験があります。手書き、ワープロ入力どちらにしてもカルテを作る作業は医師の業務の中でもかなりのウェイトを占めます。頭で考えたり患者さんと会話したこと、カテーテル治療の結果などをカルテ記載することは、自分の実施した医療を整理することにとても役に立ちます。カルテ記載は医師の法的義務ですが、私の中では次の一手を思いつくために思考の整理をすることが、カルテを作ることの裏の目的でもあったように思います。ですが、その分カルテ作成はものすごい負担でもありました。診察の中で患者さんと会話したこと、指導したことなどを記録して、そこから次の手を考えて記載して、直して、などしていると一つのカルテ作成で10分とか、長いと30分かかることもあります。当院を開業してからは外来しかしておりませんが、外来にみえる1日何十人の患者さんのカルテをまとめるのは至難の業です。どうしても短い時間では最低限の入力となってしまい、私の理想とする十分なカルテ記載ができているとは言い難いです。頭はフル回転していたとしても、限られた時間で物理的にできるアウトプットはそれについてきておらず、自分としては悔しい思いをしておりました。さらには、カルテを作るためのワープロ打ちで私自身の肩こりや頭痛もひどく、職業病とは思いつつも、何とかしたいと思っていました。そこで、AIを活用したカルテ作成補助を考えました。音声認識+要約してカルテを書き起こす作業をAIに依頼することで、いくつかの利点があります。①私としては最も問題視していた、診察の十分な記録ができないことの改善②カルテ作成のためにパソコンの方を常時向いていることがなくなり、患者さんの方に体を向いて会話できる事が増える。③外来の合間にカルテを書く時間が短縮して、患者さんの待ち時間が減る。④私の肩こりが減る(?)いいことずくめですが、このためには大事な条件があります。AIが十分にカルテの質を担保できるかということです。もちろん、最終的にチェック・修正はするのですが、チェックに時間がかかったら同じことになります。この点はかなり杞憂に終わりました。皆さんもご存じのようにGemini、ChatGPTに代表される最近のAIの発展は目覚ましく、medimoさんの音声認識、カルテ要約についても非常に質の高いカルテを作成してくれます。医療の世界でも働き方改革、そして人手不足があり、限られたヒューマンリソースをフル活用する必要があります。そんな中、AIによって少し明るい未来が見えたような気がしました。近頃は、医療の世界だけではなくどこを見渡してもAIばかりです。ちなみに、最近のブログのサムネイル画像などはAI(copilotやGemini)で作成しています。手塚治先生の名作漫画「火の鳥」では、AIが人間を統制して結局滅びてしまう描写があります。子供のころに読んで漠然と恐怖を感じていましたが、いつかそんな時代が来てしまうのではないかと思ってしまうほどの、近頃のAIの進歩を感じます。AIの発展がどのような未来に結び付くのかはわかりませんが、自動車やパソコン、インターネットなどの偉大な発明と同じく、人間の良い相棒として付き合っていけるとよいと思います。