こんにちは。前回は「心不全とは」、「心不全の症状」についてお話ししました。今日はその続きです。よろしくお願いいたします。心不全の原因心不全になる理由は、前回お話ししたようにたくさんあります。心不全は多くの心臓の病気の終末像でもあるからです。①狭心症・心筋梗塞 ②高血圧 ③心臓弁膜症 ④不整脈 ⑤拡張型・肥大型心筋症 ⑥先天性心疾患 などが心不全の原因に挙げられます。それぞれ上のような理由で心臓が弱ってしまうことが、心不全を引き起こしてしまいます。狭心症・心筋梗塞や高血圧については生活習慣が原因であることも多く、生活努力をすることである程度心不全の予防をすることができます。しかし、それ以外の心不全の原因となる疾患を予防するには生活努力だけでは難しく、早めにそれらの疾患を発見して治療を開始することが大切です。心不全の診断方法心不全の診断は簡単ではありません。採血検査、レントゲン検査、心電図検査、心エコー検査、心肺運動負荷試験などの各種検査で原因も含めて総合的に診断します。カテーテル検査を行ったり、心臓の組織を採取して(生検)診断の助けとすることもあります。専門医は上のように診断することが多いですが、全員にすべての検査をすることは難しいので、まず採血検査のBNP検査を用いて疑わしい患者さんをスクリーニングする(ふるいにかける)事が多いです。BNP検査でいうと100pg/ml以上(NTproBNPは300pg/ml)の方が、心不全の可能性が高いといわれています。心不全学会では、BNPが35pg/ml(NTproBNPは125pg/ml)を超える場合は心不全の可能性があるため、循環器専門医に紹介して詳しく調べましょうと言われています。心不全の治療法心不全の治療方法は主に、薬剤・手術(カテーテル治療、外科手術)・運動療法が三本柱です。心不全の原因となる因子はたくさんあるため、同じ心不全の患者さんでも治療法は異なります。まず、心不全の原因をはっきりさせてその対策を行うことです。狭心症や心筋梗塞が原因であれば、内服治療、カテーテル治療や手術をします。弁膜症であれば、適切な時期にカテーテル治療や手術をします。不整脈であれば、アブレーション治療や薬剤など。生活管理や運動療法を通して予防を行っていく必要もあります。きりがないので詳しくは書きませんが、それぞれの患者さんに様々な治療を組み合わせてオーダーメードで考えていく必要があります。それは循環器専門医の仕事です。では、患者さん自身ができることはあるのでしょうか。次回は、心不全と言われたときにどうしたらよいかをお話しします。よろしくお願いいたします。