こんにちは。本日は循環器の病気シリーズ 不整脈の3回目です。心房細動についてお話しします。心房細動とは心房細動は、その名のごとく、心臓の中でも心房という部屋が細かく動く(ふるえる)という不整脈です。前々回の不整脈 第1回で心臓の正しい電気の流れである「刺激伝導系」についてお話ししましたが、今回の心房細動は、心房がめちゃくちゃに電気的興奮を起こしてしまう不整脈です。そのため、心房が350-600回/分程度のスピードで、無秩序に細かく動くだけの状態になってしまいます。上の図の右側が心房細動の電気の流れです。本来なら正しい電気の流れに従って収縮する心房が、とても速いスピードで細かく動く事で、心房はちゃんと収縮しなくなってしまいます。それだけでなく、心室も規則的に収縮しなくなってしまい様々な問題が起こります。心房細動の引き起こす問題は?大きな問題としては、主に下の二つです。①心不全の原因になる・・・ポンプ機能の低下による心臓機能低下②脳梗塞の原因になる・・・血液がよどむことによる、血栓の出現心臓の問題のはずなのに、脳梗塞ってどういうこと?と思う方もいると思いますが、心臓は全身に血を送る臓器です。心臓からでた大動脈は、体の隅々までつながっています。心臓の中で血がよどんで固まってしまい『血栓』ができてしまうと、動脈を通して脳だけでなく、全身にその『血栓』がつまってしまうというリスクがあるのです。脳梗塞が最も有名ですが、足の血管や腎臓などの血管に詰まることもあります。そんな「心房細動」ですが、高齢化社会に伴ってとても増えている病気の一つです。健診で指摘される方もいれば、動悸の症状があって病院で診断されることもありますが、無症状で見つかっていない方もみえます。心不全や脳梗塞の原因になるのであれば、早期に発見して対策を考えたいところです。長くなってきたので続きは次回、心房細動の診断と治療方法についてお話ししたいと思います。