こんにちは。前回、家庭血圧の重要性についてのお話をしました。今回は、血圧を下げるにはどのようにしていくとよいのか、「高血圧の10のファクト」の⑥と⑦を例にお話しします。⑥生活習慣の改善(減塩,運動,肥満の是正,節酒など)で血圧は下がりますそもそも血圧は老化による動脈硬化の進行で上昇していきます。しかしそれ以外にも、血圧をあげてしまう要因が存在します。それが生活習慣です。つまり、生活習慣を改善することで高血圧にある一定の改善が期待できます。今は高血圧でなくとも高血圧の予防にも生活習慣の改善は大事です。生活習慣の改善を若いころから行っていくと、将来の高血圧の予防、ひいては脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を減らすことができます。生活習慣といっても様々ですが、具体的には減塩、運動、肥満の是正、節酒などが挙げられます。減塩についてはファクト⑦でお話しするとして、まずは運動からご説明します。運動による血圧改善運動には、そもそも有酸素運動・レジスタンス運動(筋トレ)・それらを組み合わせた複合運動があります。これらすべてが血圧に対して推奨される運動です。有酸素運動としては、ウォーキング・ジョギング、エアロビクス、自転車こぎなどがありますが、これらを1日30分以上(少なくとも10分以上)が推奨されています。レジスタンス運動はいわゆる筋トレに該当します。スクワットや腕立てなどで、1日20分程度が推奨されています。それらをしていく事で、研究にもよるのですが収縮期血圧(上の血圧)が5~8mmHg程度下がるとされています。ただし、もともと血圧がとても高い方が運動療法をするのは(一時的にですが)血圧が上がりすぎてしまうリスクがあります。特に上の血圧が180を超えている場合は薬などで血圧をまず下げてから運動した方が安全です。また血圧がそれほど高くなくても、強く気張るほどの運動をすると、血圧が上がりすぎてしまい危険なことがあります。まずは軽めの有酸素運動から始めていく事をお勧めします。肥満の是正による血圧改善日本人の肥満の定義はBMI(body mass index)が25kg/m2以上とされています。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったものです。肥満、特に内臓脂肪が増えるタイプの場合は、大きく血圧の上昇に関係するといわれています。逆に言うと、肥満の方が体重を減らせば血圧は低下しやすいということになります。ある研究では、体重1kgの減量で、血圧が1mmHg下がるといわれています。ご自分のBMIを計算して、肥満に該当してしまう方は減量を試みるとよいと思います。節酒による血圧改善まめに血圧を測る方は実感されると思いますが、アルコールは血管を広げて血圧を一時的に下げる作用があります。しかしこれは短期的な作用で、長期的にアルコール摂取すると血圧は逆に上がります。つまり習慣的にアルコールを摂取される方は、それによって血圧は上昇してしまうのです。飲酒は社会生活を円滑にするという作用もあり、全部やめてしまうのは難しいかもしれません。そんな場合でも節酒することでも血圧を下げることが可能です。研究によってばらつきはありますが、アルコールの制限によって収縮期血圧(上の血圧)は3mmHg程度さがるといわれています。高血圧管理の上で適切なアルコール量は、1日で日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎0.5合程度とされており、休肝日を週1回以上を作るとなお良いです。上で挙げました運動、減量、節酒で下がる血圧の数値は個人差が大きい為、あくまで目安です。もっと下がる人もいれば、思ったより下がらない方もいらっしゃいます。それぞれ自分に合ったように組み合わせてやってみると、全体的に降圧薬1錠分くらいの血圧の低下が見込めるかもしれません。そして、高血圧にかかわる大きな生活習慣因子として塩分摂取量があります。塩分は非常に重要ですが、長くなってしまったので次回に続かせていただきます。