こんにちは。寒い日が続いております。インフルエンザの流行もあって、発熱外来に受診していただく方が多いです。予防の基本は「手洗い」と「飛沫を避ける事」です。まめな手洗いやマスク等で飛沫からの感染防御を心がけましょう。さて、本日は循環器の病気シリーズの第二弾として不整脈についてお話ししたいと思います。心臓は電気によって、規則的に動いています。皆さんご存じのように、心臓は筋肉の塊です。筋肉の中でも、手足の筋肉のように意志に従って動く「随意筋」ではありません。私たちが意識しなくても自然に動く「不随意筋」です。心臓の中にはある一定の電気的興奮の流れがあって、その電気の流れによって心臓の筋肉は自動で規則的に動きます。その電気の流れを「刺激伝導系」といいます。上の図のように、心臓の右上にある洞結節という部分から電気の指令が発生し、上の部屋(心房)と下の部屋(心室)の間の房室結節という部分を通り、下の部屋(心室)に流れていきます。簡単に言うと心臓は上から下へ電気が流れることによって、規則的に動いています。規則的に動くことで、血液がうまく循環して流れていくのです。不整脈は正しくない電気の流れでおこるでは、不整脈はどうやって起こるのかというと、この電気の流れに問題がある場合に起こります。刺激伝導系の正しい回路に乗っ取ってちゃんと電気が流れる場合はよいのですが、それ以外の回路に電気が流れて正しい順序で心臓が動かない場合や、正しい回路だけども流れが悪い場合などに脈がおかしいように感じます。それが「不整脈」です。ちなみに不整脈の名前の付け方は、たいてい「異常な場所の名前+その種類」になっています。正しくない電気の回路の場所が上の部屋(心房)にあれば心房性の不整脈、下の部屋(心室)にあれば心室性の不整脈です。例えば健診でよく指摘がある「心室期外収縮」の場合、文字通り心室の電気の流れに問題があり、期外収縮という種類です。「心房細動」と言われた場合は、心房の電気の流れに問題があり、細動という種類です。「房室ブロック」であれば、房室結節で電気の流れが悪い(ブロック)ですよ、ということです。それぞれはどんな不整脈なのか、どんな検査・治療方法があるのか、などまだまだ気になることがありますが、次回に続きます。